妄想は膨らむ
カフェとか喫茶店、夜はバーも良い
そんな妄想を頭に浮かべて
いつかはやってみたいと思っているあなた。
どんな接客を想像しているでしょうか。
おしゃれなお酒を出して
ちょっとセクシーなおねえさんがいて、
カラオケをお客さんとデュエットして
ダーツなんかもあって
店の片隅にはピンボールなんかもあれば
60年代アメリカっぽくていいし、
気分が乗ればお客さんと朝まで飲んで。
ワールドカップなんかあれば
ビール飲みながらお客さんと朝まで応援して、
・・・・どう?こんな感じですか?
いろいろな許可や届出
お店を作って、お酒や食材を買ってきて、
きれいなおねえさんを雇って、
飲めや歌えや楽しい我が店
はい、妄想はその辺にしておきましょう。
お店を開業する前に、
お役所関係にいろいろ手続きが必要なことは
チラッとなりともご存知ですよね。
保健所で飲食店営業許可
他の回で詳しくお話ししたことがありますが、←クリック
お料理とお酒を出すつもりならば
「飲食店営業許可」を取らなければいけません。
そこまでは大きな問題はないでしょう。
警察関係の許可や届出
さあ、これからが厄介だし、
あなたの妄想が今の日本ではムリムリなことをお話ししましょう。
あなたの妄想に含まれている要素を
警察関係の許可や届出別にちょっと分析してみますね。
① セクシーなお姉さんがいてカラオケをお客さんとデュエット
・・・・・風俗営業1号店許可が必要・・・・・
ここではセクシーなおねえさんが問題ではなくて、
むさくるしいおじさんでも同じで、
お客さんとデュエットが問題なんです。
特定のお客さんと遊んだり談笑したりするのは
「接待行為」として、1号の許可が必要なんです。
② ダーツなんかもあって
・・・・・風俗営業5号店の許可が必要になるかも・・・・・
風俗営業5号店というのは
いわゆる「ゲームセンター」です。
本来は点数を競って楽しむゲームが
賭博に利用される可能性があるもの
そんなゲームは風俗営業法で管理しましょう
そういう決まりになっています。
ダーツやピンボールなどの点数が
賭け事の対象になりやすいという事なんですね。
でも、もぐらたたきは対象外だという事です。
他にも対象外はいくつもありますけど
この機能があったらダメ、という
びしっとした基準が無いような気がします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
許可が必要に「なるかも」って言いましたよね。
規制対象になるゲーム機でも、
ゲーム機を利用するのに必要な面積が
客席面積の10%以内の面積でおさまっていれば
対象外になるんですね。
ただし、このゲーム機を利用するのに必要な面積が結構厄介なんです。
テレビゲームのような機械に密着して遊ぶタイプでは
機械の占める面積の3倍が必要だとされています。
そして問題のダーツ。
こういう機械から離れて遊ぶもの、
これは、機械の占める面積にプラスして
ダーツを投げる所から的までの範囲の距離と幅
これを射的スペースというのですが、
この面積を足したものがダーツの計算上の面積と見なされます。
スローラインからダーツボードまで2.44m
ダーツボードの幅を含めて約3m。
プレイするのに必要な幅1mと仮定すると
3㎡が、ダーツに必要な面積になります。
つまり、客席面積が30㎡を超えていれば
この風俗営業5号店の許可は取らなくていいことになります。
ただし、2台で60㎡、3台で90㎡
こんなに広い客席のお店をやるつもりならば、ですね。
③ 気分が乗ればお客さんと朝まで飲んで
・・・・・風俗営業1号店の許可と
深夜酒類提供飲食店の届け出が必要・・・・・
・・・・・受け付けてくれないけど・・・・・
「お客さんと飲む」特定のお客さんならば接待営業に該当します。
「朝まで飲む」は深夜酒類提供飲食店に当てはまります。
警察が関係する営業形態で届け出たり許可を取ったりは
一種類しかできません。
「風俗営業を1号と5号セットでお願いします。」
なんてのは間違ってもできません。
だから、お特定の客さんと朝まで飲めません。
④ ビール飲みながらワールドカップを朝まで応援
・・・・・特定遊興飲食店の許可を取りましょう・・・・・
平成28年6月22日までは「ダンス」と言うだけで
風俗営業指定だったの知ってましたか?
風俗指定されると午前0時以後はやっちゃいけないんですね。
ちょっときついですね。
それが去年改正されまして、
「特定遊興飲食店」
というジャンルができたんです。
これで朝までダンスでもワールドカップでもだいじょうぶです。
特定遊興飲食店の要素は3つあります。
1 深夜
2 お酒
3 遊興
この「遊興」についてはちょっとややこしいので
またの機会にお話ししましょう。
結論
あなたの頭の中の楽しいバーは
・風俗営業1号店の「接待営業」
・風俗営業5号店の「ゲームセンター」
・深夜酒類提供飲食店
・特定遊興飲食店
これらの4つの営業形態が混ざり合っています。
さっきもチラッと言いましたが
どれか一つしか選ぶことはできません。
リアルな楽しいバーを作りたいと思ったら
よくばりは止めて一つに決めましょうね。
それではまた、お元気で。