ハロウィンのお化けかぼちゃ。
もともとは、何者なんでしょう。
なぜランタンなんでしょう。
なぜカボチャなんでしょう。
カボチャというからには、終わったら食べていいんでしょうか。
ハロウィンのお化けかぼちゃ、もともとは何者なんでしょう
なんと言っても、伝説なんですね。
お話しの内容も、登場人物の名前もいろいろな説がありますが、
大雑把には共通しています。
登場人物は
1 悪賢い遊び人のジャックさん、または極悪人のウィリアムさん。
どちらにしても、ダメ男、クズ男のようです。
2 悪魔
かなりお人よしで、憎めない人です。
3 聖ペテロ
天国へ行くか地獄へ行くか仕分けする係のようです。
この方も少々お人よしらしく、ウィリアムに説得され、地獄行きのところを、人間界に生まれ変わらせてしまいました。
ストーリー
ジャックさんと、ウィリアムさん
大体似ているお話しなので、ここはジャックさんに代表してもらいましょう。
昔々極悪人とも遊び人とも言われているジャックさん、
説その1
死んだのは良いが、あまりの嫌われ者で、死後の世界そのものに入れてもらえなかったようです。
だから、さまよっているのは現世ですね。
ここで親切な悪魔が火種になる石炭をくれました。
ジャックさんはカブを拾って、上手に加工して、親切な悪魔がくれた石炭を火種にして、ランタンを作り、快適なさまよい生活をおくっているそうです。
ここでは、ジャックさんはランタンを持っている人なので
ジャック・オー・ランタン=ランタン持ちのジャック
の、名前にピッタリですね。
でも、あのお化けかぼちゃは、ジャックに持たれているランタンのほうであって、持っている人は関係ないような気がします。
しかも、カブだし。
カブのランタンは、かなり怖いですね。子供が泣きそうです。
じゃあ、説その2
ジャックは悪賢い遊び人。
どういうきっかけかわかりませんが、ジャック、バリバリの生者時代に悪魔と知り合い、人を疑うことを知らない純真な悪魔をペテンに引っかけ、死んでも地獄に落ちない契約を取り付けたんですね。
今だったら、消費者契約法が悪質な契約から、純真な悪魔を守ってくれたんですけどね。
そしてジャックさんもいつの日か死んでしまい、天国に行こうと思っていたら、クズ男のため不合格。
仕方なく地獄へむかったものの、純真な悪魔君が、純真だけに几帳面で、しっかり契約書を持っていたため地獄にも落としてくれないという絶望的事態に。
いじけたジャックさんはその辺に落ちていたカブに乗り移って、安住の地を探すことにしたんですね。
この説なら、持ってる人ではなくて、持たれてるランタンに近いですね。
しかし、カブだし。
説その3
ここからは、ウィリアムさんにしましょう。
このウィリアムさん、生前は極悪人でした。
死に方も、恨みによる殺人ということです。
ここで聖ペテロさん、登場します。
通常の手続きにのっとって、ウィリアムさんを地獄に送ろうとします。
しかし、今度は純真な悪魔君ではなく、この聖ペテロさんがうまいこと言いくるめられてしまいます。
あまり、世間の荒波にもまれた経験がなかったのかもしれませんね。
ウィリアムさん、口八丁で現世に生まれ変わり新しい人生を始めます。
しかし人間性は変わらずやっぱり極悪人として活躍しました。
2回目はどういう最期を遂げたのか、情報が無いのですが、ろくな死に方をしなかったというテンプレートに乗っけておきましょう。
そのろくでもなかったけども、とにかく死んでしまったウィリアムさん、久しぶりに聖ペテロさんに会います。
「もうお前とは合いとうない。こっち来んなクズ。」
みたいなことをたぶん言われたんでしょう。
地獄行きと天国行きの仕分け担当者の手前でシャッター降ろされてしまったんだから行き場がなくなります。
そこの、仕分け前の場所を「煉獄」というそうです。
天国へ行く前の控室みたいな記述もありますが、下の絵からすると、ほぼ地獄じゃないかと思います。
そして、ウィリアムさんは煉獄の中をさまようことになるのですが、やっぱりいい人の悪魔君がそれを見て哀れんで、燃える石炭を一つあげたんですね。
この炭火の火の光が鬼火として人々に恐れられるようになるわけです。
この物語の問題は、ウィリアムさんが主人公をいきなり石炭の火に取って代わられて、どっか行ってしまうことと、カブもカボチャも出てこないことなんですね。
これまでカブしか出てきませんね。
カボチャが出てくるのは、お話がアメリカに渡ってからだそうです。
アメリカではカブよりカボチャのほうがなじみが深かったんですね。
ヨーロッパでは今でもカブが頑張っている所もあるようです。
まとめ
カボチャは、以前はカブだった。
あのかぼちゃはジャック・オー・ランタンと言い、ランタン持ちのジャックという意味。ジャックは日本の太郎みたいなもんで、男の代名詞みたいなもの。ランタン持ちの男、とも訳す。
ジャックの魂がカブに乗り移ってみたり、主役のウィリアムの座を石炭の火に乗っ取られたりして、ランタンを持っている男と、石炭の火の立場があやふやになった。
それで、ランタンそのものが、ランタン持ちの男という名前になった。
アメリカに伝わって、なじみのないカブではなく、生産量の多いカボチャになった。
アメリカの強大な国力を背景に、ハロウィンはカボチャと共に世界に広まった。
聖パウロはお人よしで説得に弱い。
悪魔はものすごいお人よしで、騙されやすい。情に厚く、困っている人を見捨てられない。
だいたいこんなところでしょうか。
今回はあのお化けカボチャは何なんだ?までで終わりにします。
あれを食べて良いか、食べられるのか、については
「その2」
で、お話ししようと思います。
それではまた。